バイオマスとは、エネルギーとして利用できる再生可能な生物資源です。川辺バイオマス発電株式会社は、隣接する大豊製紙株式会社へ電力と熱を供給するために、日本紙パルプ商事株式会社、大豊製紙株式会社、株式会社豊通マシナリー(旧トーメンテクノソリューションズ)の3社により設立されました。電気と熱を作り出す燃料に、木質バイオマス燃料(木屑)を利用することで、従来、大豊製紙の自家発電設備で使用されていた重油の使用をゼロにすることができました。
バイオマスを燃やす際にもCO2は発生します。しかし、このCO2はもともと大気中にあったCO2を植物が成長過程で光 合成によって吸収したもので、それが再び大気中に戻ったにこと過ぎません。ライフサイクル全体で見ると大気中のCO2は実質的に増加していないことになり、このことを「カーボンニュートラル」と呼びます。
これまで廃棄処分されていた建築廃材や土地開発で発生する伐採木や森林管理で間引きされる間伐材などを燃料に利用することで、廃棄物を資源にすることができます。
バイオマス発電は、万全の排ガス対策により大気汚染物質の発生量が極めて少ない、クリーンな発電方式です。
川辺バイオマス発電では電気の供給だけでなく、工場で使われる熱源としての蒸気も供給しています。
木質バイオマスからつくられた電力は「グリーン電力」と言われ、その環境付加価値分が日本自然エネルギー株式会社を通じて取引されており、温暖化防止に貢献しています。
大豊製紙株式会社の操業に合わせ1日24時間、年間約345日稼働しており、木質バイオマス燃料を1日に約200トン利用します。大豊製紙が板紙製造工程に必要とする電力の約半分(約19,000MWh/年)、蒸気の全量(約170千トン/年)を供給し、さらに余剰電力はFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)に基づき電力会社へ販売しています。
発電プラントは、発電効率を高めた先進設計であるだけでなく、公害対策に万全を期し、環境への配慮を最大限に追求しています。木質バイオマスを燃焼した後に残る灰は、セメントや土壌改良材などとして再資源化を推進しています。
今後も、廃棄物の排出をゼロにするゼロエミッションの実現や、木質バイオマスのリサイクルシステム確立など、地球環境に資する施策を強力に推進していきます。
燃料となる木質チップは、屋根付きのチップヤードに一旦貯蔵します。チップヤードは、ストックに十分な面積を確保しています。
チップを流動層ボイラで燃焼。発生した熱で蒸気をつくります。
蒸気を利用してタービンを駆動し、発電します。
制御室にてプラント全体を一括管理しています。